空地の活用、土地活用?投資?運用?は有効か
土地は持っているだけでも、税金は毎年出ていくものですし、ある程度管理をしないと、不法にゴミを投機されてしまうなど、問題も起こります。
1970年ごろから、そういった土地を持っているなら、何らかのかたちで活用するほうが、多少収入も見込めるしよい、と言われ始めたのですが、これがいわゆる「土地活用」というやつです。
そしてその後1990年ごろから言われだしたのが「不動産投資」というもの。
ある時期ただ不動産を買い、数年後に売れば「必ず高く売れた」時代もあったのですが、現在はどんなたやすいものではないようです。
ここでは空いた土地の活用「土地活用」「不動産投資」の違いや考えかたについて、チェックしてみましょう。
目次情報
1. 「土地活用」とは?
2. 「不動産投資」とは?
3. 「不動産投資」のリスク
3-1. 金利によるリスク
3-2. 税金によるリスク
3-3. 増税前後の判断リスク
3-4. 空家になるリスク
3-5. 家賃の滞納リスク
3-6. 事故物件になるリスク
3-7. 火災、漏水など老朽化リスク
3-8. 風水害、地震のリスク
「土地活用」とは?
土地活用とは、実際に実行している方もいらっしゃるかもしれません。
相続などで所有するようになった土地を、駐車場にしたり、何らか収入が得られるような状態にして保有する、といったことですね。
確かに土地を保有していても、何もせずに放置していては、生み出すものもないし、お金は出ていく一方です。
大きく儲けがでなくても、こういった活用を進めることで、税金や維持管理費はカバーでき、そのうえで少しは手元に残るわけです。
ただしそのような活用する場合でも、さまざまなリスクや手間がかかってくることも事実です。
そして、需要がない土地、と判断できれば、保有していることそのものにも意味がないので、手放すほうが賢明な場合もあります。
「不動産投資」とは?
土地活用と混同してしまいがちなのが「不動産投資」ではないかと思います。
確かに不動産を運用して利益を得る、というニュアンスですので、似たようなものとも思えます。
しかしこの2つの決定的な違いは、以下のような面です。
- 不動産の「値上がり」を期待して入手する
- 値上がりを見込める「エリアを選択」して入手する
- 一定の投資期間を経たら「現金化」する
株式などでも、個人の考え方によって、値上がりを期待して入手、高くなったら売却、というような方法を取っている方もいれば、「株主優待目当て」で特に値動きがあったとしても、長期保有を続けるという方もいますね。
売却して利益を得る目的が強いほうが、「不動産投資」というニュアンスにより近いのかもしれません。
もちろん、代々の土地だし、持ち続けたい、とか、譲り受けたアパートで、長く入居者がいて、人と人とのつながりがあるから手放せない、というかたも、特段それが悪いわけではありません。
しかし持っている土地、不動産の状況によっては、資産が目減りしたり、さまざまな苦労を生み出すということもあるため、そういったところにこだわり続けなければならない、ということもないということです。
「不動産投資」のリスク
金利によるリスク
一般的には、不動産投資を行う人の多くは、入手する費用を「ローン」に頼っていますね。
ローンの金利は、「固定金利」「変動金利」がありますが、「変動金利」のほうがやや低い設定ですのでこちらを選ぶ人のほうが多い。
しかし場合によっては金利上昇が起こりますから、大きな金額で組んでいればいるほど、想定外の出費となってしまうケースがあるのです。
税金によるリスク
不動産を入手すると、あれこれ税金もかかります。
キャッシュフローのなかにこれら税金を想定し忘れていると、逼迫してしまうリスクが生じます。
- 不動産取得税など、入手時の税金
- 年間4期の固定資産税など運用時にかかる税金
- 譲渡所得税など、売却の際にかかる税金
こういったものが都度かかることを知らずに、ローンのお金が回ればいい、と考えていると、思わぬところでお金が回らなくなるかもしれません。
増税前後の判断リスク
消費税が5%から8%になりましたが、今後も10%へと進むとされていますね。
こういった過渡期の場合、不動産業者としては、増税前に決断を、と執拗に勧めてくるものですが、この時期の判断が難しいのです。
実際増税前に購入したものの、増税後に値段がかなり下がる、といったケースもあるようです。
あまり知識がない状態で、こういった時期に投資を決断するのはかなりリスクが高いと思われます。
空室になるリスク
不動産の場合、何といっても「借り手がいてこその利益」ですよね。
入居者がいれば、家賃(ローンの金額プラスアルファ?)が毎月入ってくる、というかたちですので、これが丸々入らなければ、自腹でローンを払うだけの状態に!
家賃保証をつける業者もいるものの、規定を細かくチェックしなければ、補償外となる期間がある場合があるなど、大きなリスクを負うことにもなりかねません。
家賃の滞納リスク
入居者がいれば安心、というものでもありません。
家賃を滞納されれば、部屋を使われるだけで、入るものが入ってこない、という状態に。
場合によっては連絡がつかない、いつの間にかいなくなっている、というようなケースもあります。
しかも日本の法律では、入居者側のほうを守るような形になっており、訴訟を起こしたとしてもその費用までかぶることになるかもしれません。
事故物件になるリスク
善良な入居者ばかりであれば、そこまでのことはないはずですが、昨今物騒な事件もありますし、また単身者の場合、急病で倒れ、そのまま…といったケースもまれではありません。
こまめに巡回できれば早期にこういったケースを発見できますが、たいていの場合はそうはいきません。
所有している物件で事件、孤独死などが起これば、「事故物件」扱いとなり、清掃費用にリフォーム費用、そして次の入居者を探すのにも相当苦労するうえ家賃を下げるはめに。
火災、漏水など老朽化リスク
入居中に火災が起こったり、老朽化により漏水が起こるといったリスクも避けられません。
入居者の使い方で劣化が早まることもありますので、ある程度修繕費を想定していても、それ以上に早い時期にメンテナンスをせざるを得ないケースもあります。
火災、漏水が起こると損害を与えたところへの賠償なども必要です。
風水害、地震のリスク
今や地震が起こるのは当たり前となり、全国どの地域にいてもこのリスクを払拭できません。
またゲリラ豪雨や台風によって、飛んできた物で物件が破損するケースもあります。
破損で済めば多少の金額で修繕がきくかもしれませんが、地震で全壊したら、ローンだけ残るケースもありえます。
まとめ 安易に手を出すべきではない「不動産投資」
不動産投資はさまざまなリスクを認識したうえで、それ以上の利益が見込めるのであれば、進めていくべき。
しかしそれが見込めるかどうか、素人ではなかなか判断できないものです。
もしこういったことを進めていこうかと思案しているなら、実際に不動産投資を行っている親しい人に、どういった感じなのかしっかりと聞いてみてください。
セミナーや不動産投資の会社は、どうしてもメリットを強調して勧めてきますので、冷静な目で、正しく判断していくことをおススメします。