トランクルームの始め方~投資目的と土地活用
空いた土地を何かのかたちで活用したい、というときに、比較的初期費用も少なく始められるのが「トランクルーム」です。
以前はコンテナをポンと置くようなかたちのものが主流でしたが、最近はもう少ししっかりした建物を建てて、納められるようになっているものもありますね。
それでも賃貸物件などを建てるよりは費用がかからず、はじめやすい土地活用として注目されています。
ここではそんな「トランクルーム」の始め方、また実際についてみていきましょう。
トランクルームをはじめるには?
まずはトランクルームについて理解を深めたうえで、始める流れについてもみていきましょう。
トランクルームには置けるもの、置けないものがあります。
置けるもの
- テントやスキーなどのレジャー用品
- タイヤなどの車の備品
- 扇風機などの家電製品
- 季節違いの衣料品
- コレクショングッズ
置けないもの
- 貴金属
- 金銭
- 生鮮食品
- 生き物
- 危険物
相称して「トランクルーム」と呼ばれてもののなかには、細かく言うと「トランクルーム」と「レンタル収納スペース」というものがあります。
もっとも簡単で低コストではじめられるものとしては、やはりコンテナを置くタイプのものでしょうか。
とはいえ、出し入れするためのスペースと、車で乗り付けて物が運べるように、パーキングスペースも確保しておかなければなりません。
始める条件
土地の広さを確認すること
コンテナを置くスペースと、パーキングスペースを確保するためには、少なくとも25㎡程度は確保しなければなりません。
コンテナのなかには仕切りがあるタイプもありますので、どの程度の容量を確保するとニーズが高いのか、ということも考えておくべきでしょう。
建築基準がある
コンテナをポンと置くだけだしと、ごく簡単に考えてしまいがちですが、それでも「建築基準法」にのっとって話を進めなければなりません。
実はコンテナはポンと置くだけなのではなく、災害時に移動しないように、きちんと土台、基礎などで固定しなければならないんですね。
もしこういったことをしていない場合は「違法」となり、摘発されるなどにもなりかねないのです。
用途の申請、固定資産税もかかる
そのコンテナの用途を「倉庫」とする建築確認申請が必要になります。
きちんと申請しないと、100万円以下の罰金、1年以下の懲役など、罰せられてしまいます。
短期間、一時的であっても申請は必要で、またそれにかかる「固定資産税」も支払義務があります。
初期投資…設備は何がいる?
コンテナを基礎をきちんとして設置するだけではなく、諸々の必要な設備があります。
- レンタルスペースであることが分かる看板や番号札
- パーキングスペースの輪留めや舗装など
- 電灯など証明の類
- 場合によっては監視カメラ
スマートに設置し、清潔感がないと、どうしてもレンタルスペースは雑多なものを入れ込まれる傾向もあります。
ある程度整備も必要ですし、何らか不正なものを持ち込まれないように、監視カメラを設置することも考えなければならないことも。
看板もしっかりと見やすいところに設置しませんと、せっかくのスペースも借り手がつかないということにもなりかねません。
「トランクルーム」ぶっちゃけ儲かるのか?
空地をトランクルームにすることを検討するなら、まず「採算が合うかどうか」を見極めることが大事です。
賃料の相場としては、一畳あたりでだいたい3000円~5000円程度、と言われていますが、これも都市部と田舎町では違うでしょうし、ニーズが掴めなければ、どのような価格設定にしたとしても、入ってくるお金は0ということにもなりかねません。
また借りる側の立場に立って考えてみるとわかりやすいのですが、家に置ききれないものを置くためにお金を払って場所を借りる、ということがどういうことなのか今一度考えることも必要。
どうしてもそのようにして置くならば、やはり自宅から近い場所がいいでしょうから、そういったニーズを持つ人が周辺地域にいるかどうか、想像しなければいけませんね。
さらに借り手がいてこその収入ですから、借りたい人を集める努力も必要。
周辺地域に周知してもらうための広告を作成して配るなどといったことも必要になるかもしれません。
いずれにしてもすべてを埋め尽くすには、そこそこ時間がかかる可能性もありそうです。
借り手がほとんどついていれば「儲かる」かもしれませんが、借り手がいなければ赤字で苦労することは明白です。
まとめ 「周辺のトランクルーム」を研究してから検討を
筆者の自宅周辺にも数軒、トランクルームがありますが、正直借りたいと思ったことはありません。
モノがそれほどあふれていないし、近くだとしてもわざわざそこに運ぶことが億劫なうえ、お金を払うのが正直馬鹿らしいからです…。
もちろんそんな人ばかりではなく、借りたいというニーズもあるから周辺にこう言ったものがあるんだとは思いますが、知人にこういうの使っている?と聞いてみるとか、トランクルームの埋まり具合をリサーチするとか、そういった努力もしたうえで、採算が合うかどうか考えるべきではないでしょうか。
いざ進めてから「借り手がまったくいない」では、初期投資が少なくても損を切ることになってしまいますので、じっくり考える。
ニーズがないなら、思い切って売却するほうが得策な場合もあるかもしれません。