テナント物件を建てる土地活用
比較的開けた土地で、幹線道路に面している、などといった場合、その土地ならテナント貸しするとよいかもしれません。
スーパーや飲食店などは、立地条件が良ければそれなりの大きな賃料で契約してくれるでしょうから、そういったお店のテナント物件を建てて土地活用すると、思わぬ大きな利益を生んでくれることも。
しかしこういった土地活用も、まったくリスクがないわけではありません。
ここではテナント物件を建てる土地活用とはどういったものなのか、みていきましょう。
目次情報
1. テナント物件のための用地として貸す流れ
1-1. 貸すにあたっての準備段階
2. 契約に進んだときの内容をしっかりしたものに
2-1. 賃料改定についても長めの期間に
2-2. 不動産賃貸業として税務署に届け出も
2-3. どのようなことを意識して進めるべき?
テナント物件のための用地として貸す流れ
貸すにあたっての準備段階
ある程度の広さがあり、幹線道路に面している、交通量もそれなりにある、という用地なら、店舗を建てるために借りたい、と思ってもらえそうですね。
そういった条件がそろった土地であれば、テナント用地として貸し出すとよいかもしれません。
そういった場合は、地域にある不動産業者に土地の状況が分かる資料を渡すなどすれば、興味をもってくれた借主がアプローチしてくれます。
ただしその土地が「地目:宅地」となっていない場合、例えば「雑種地」「など宅地以外のものになっている場合は、水道管やガス管などが近くに来ているか、電柱からすぐ電気が引けるか、境界線がはっきりしているか、建築基準法による接道義務をクリアしているかなどを確認しましょう。
- 不動産会社に貸したい土地があることを伝える
- 貸地部分に看板を立てる
- 用地を募集している会社に電話してみる
こういったことを進めていくのもひとつです。
契約に進んだときの内容をしっかりしたものに
契約は一般的に次の2種類があります。
契約方法 | |
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リースバック方式 | テナントの上物を土地の所有者が建てて、テナントを借りる業者が一括借上するやりかた |
事業用定期借地方式 | テナントを借りる事業者へ土地だけを定期借地するだけというやりかた |
貸す側としては、できればリスクを少なくしておきたいものです。
筆者も逆の立場でとても厳しい思いをしたことがあるのですが、できるなら、契約はより長い契約にし、その契約期間中に撤退などする場合は、保証金を没収、またさらに言えば違約金を取る、といった契約にしておくと、万が一契約期間中に営業不振などで撤退された場合も、リスクが少なくて済みます。
テナントに土地を貸す場合、借主が建物を建てるケース、貸主が建設協力金を出すケースなどさまざまあります。
場合によっては借りてもらったことで、建物を建てる費用を出す際にローンを組むケースもあるため、何の足かせもなく撤退されてしまっては困るのです。
筆者の経験したケースでは15年契約となっており、保証金が1000万。
そしてそれまでに撤退した場合は保証金全額没収、となっていたため、契約の半分ほどで行き詰まっていたのですが何とか保証金を返してもらえるまで…と無理をしてしまい、結果的に12年全うしながら撤退、1000万円を棄てたことになってしまい、非常に苦い思いをしました。
実際このような契約があるわけですので、貸す側としては、その期間を全うしてもらえるよう、またそうでなくてもリスクを被らないような契約をするほうがよい、ということになります。
賃料改定についても長めの期間に
賃料に関しても何年かに一度見直す、改定ができる契約も多いですので、その期間をできるだけ長めに取ることも大事です。
改定はたいていの場合、「値下げ」の話となりますので、現状の賃料と同等かあるいは下がることを想定しておかなければなりません。
となると期間が短ければ短いほど、だんだんと下がってしまうことが予想できますので、できればこの期間についても5年とか、多めの期間にするように働きかけましょう。
不動産賃貸業として税務署に届け出も
これから賃料をいただくようになる、ということであれば、税務署に出向き、開業届を出す必要もあります。
こうすることで「青色申告」できるようになり、最大で65万の所得控除が受けられます。
またそれなりの土地であれば、賃料が月額100万円、というケースもありますよね。
となると年間売り上げが1200万となるので、のちに「消費税」も支払う義務が出てきます。
このあたりのことも、あらかじめネットで調べるなどし、勉強しておくべきでしょう。
どのようなことを意識して進めるべき?
借り手がいれば、どんな商いでもいい、という考えではなかなか大変なものです。
ロードサイドのテナント貸しの場合は、いかのような業種がありますが、地域にマッチしているか、またその会社の業績が今後どうか、ということも見極める必要もあるでしょう。
- コンビニ
- スーパー
- ファミレス
- ガソリンスタンド
- インターネットカフェ
- ファーストフード
- ホームセンター など
また周辺地域の方にも理解が得られるかどうか、社会貢献できる業種なのかどうか、ということも考えておくべきかもしれません。
それ以外にも以下のようなことを考えて進めるべきでしょう。
- 信頼度が高い会社なのか
- 業績はどうなっているか、今後の見通しはどうか
- 土地のボリュームとその商いがマッチしているか
- 収支のシュミレーションをし、無理がないかどうか
- 契約書は業者にまかせず自分で細かくチェックし有利なものに
まとめ 収益性はあるが、素人ではやや難しい土地活用
ある程度知識をもって、自分自身が進めていけるのであれば、比較的収益性は高い土地活用といえるかもしれません。
しかし賃料の遅れや撤退のリスクも見え隠れするもの。
大きく貸し出すだけに、賃料も大きい分、借りる側もよほど好調でないと長くそこで運営してくれるとも限りません。
撤退した場合は速やかに新しい会社を探さなければ、ローンがある場合自分自身も大きな実害を被るリスクがあります。
むしろロードサイドで条件がいい土地だったら、素人であれこれやるよりは、売ってしまったほうが楽に大きなお金を手にできていいかもしれません。