空地を「貸す」ことのメリット・デメリット

 

自分自身が能動的にとある「土地を購入」した場合は、例えば「マイホームを建てよう」とか「お店を開こう」といった具体的なビジョンがあるものですよね。
そういった場合は、計画をそのまま進めていくだけですが、親族が他界したなどで相続した土地などだったら、相続したものの、どうしたいいかわからないので放置…というケースもあります。

 

しかし土地を所有していると、それだけで維持管理費や固定資産税などが出ていくので、そのままではかなり損をすることになります。
ならばその空地を「貸す」のがいいのでは、と考えるのが一般的な思考。
でも土地を「貸す」ことにはメリットだけでなく、デメリット、注意したいポイントが存在します。
ここではそういったポイントを確認してみましょう。


空地を「貸す」ことのメリットは…?

 

実際に知り合いが広い駐車場をもっていたのですが、月極め駐車場は例えば30台停めていても、月額が1万円としたら、月に入ってくるお金は「30万」ですね。
なかなかの大金だとは思いますが、その土地を商いをするのに借りたい、というかたが現れ、結果的には建築は借主もちで、月額「100万円」で借り手がつき、10年後には幹線の道路用地ということで、さらに立退料も入ってきた、というケースがありました。
これはかなりラッキーなケースだとは思いますが、土地はまったく遊ばせているよりは、やっぱり借りてもらえたら一定収入が入るので、メリットは大きいんですよね。

 

またお店が少ない地域だったら、こういう形でお貸しするだけで、周辺の方が便利に暮らせて「社会貢献」「地域貢献」ということにもなるとも考えられます。
ありがたく思ってもらえて、しかも収入も得られるなんていいですよね。

 

空地を「貸す」…デメリットはあるのか?

 

喜ばれない商いをされることも

 

土地を貸すということは、借主がやりたいような商いやビジネスを進める、ということなので契約時に「どんなビジネスか」は確認でき、ナットクして契約するものです。
ただ場合によっては、地域の方があまり好まないビジネスであったり、というケースも。
実際聞いたケースでは、こちらもしばらく月極め駐車場だったものがニーズがほとんどなくなったことから閉鎖し、その後造作しているな…と見ていたら、「廃品回収」の類の什器やはかりなどがすえつけられました。

 

回りは一戸建てなどのそれなりの民家と、幹線道路沿いですので、見栄えも悪いし、きっと近隣の方は音や衛生面など、危惧していると思います。
このように地域の方が必ずしも喜ぶとは限らない人に貸してしまうと、地主が煙たがられる、といったことも起こりえます。

 

賃料の督促要請、早々に撤退されることも

 

先ほどのはレアケースだとは思いますが、土地を貸すと、あれこれ気を回さなければならないことも増えます。
家賃も滞ったりすることもあるし、下げてくれと要請されたり、あるいは早々に撤退…というケースもけっこうあります。
土地を貸すときに上物をこちらがローンで建てるケースだと、こんなことになったら大きな負債を抱え込んだだけになることも。

 

自身が土地を使いたいと思ったときに使えない

 

貸している間は、もし自身が何かにその土地を使いたい、と考えても、使うことができません。
自分のものでありながら、こういう面では自由ではなくなってしまうということも、当初から理解しておくべきでしょう。
契約する前に、細かい法律を理解していなければ、自分が思っていたものと違う内容になってしまっていることもありますので、借地借家法など、ある程度知識を得ておくことも大事です。

 

立地が良くなければ、需要がないことも

 

また土地を貸すといっても、「借りたい」と思ってもらえる魅力がなければ、借り手がつかない場合も。
ビジネスの場合、幹線道路のそばだとか、周辺の店や町の状況で集客が見込めるかどうか判断する必要もありますから、そういった面でいまひとつであれば、貸したいと思ってもダメな場合もあります。

 

また広さが中途半場な場合も、立地が良くても借り手がつかない、ということもあるのです。

 

 

まとめ 貸すならデメリットも理解し、法律の知識を得る

 

土地を貸すことは、想像しているよりも手間もかかりますし、気苦労もあるかもしれません。
また契約の内容をかなりきちんと把握し、自分に不利にならないようにしないと、貸したあとでトラブルに発展するケースもあります。

 

ある程度法律も勉強し、契約はきちんと意見を反映してもらうようにしなければなりません。